「じゃあ、また明日ね?バイバーイ」



「うん、由宇ちゃんと夏帆ちゃんによろしく!バイバイ」



部活のある日はだいたいこうして教室で愛里と別れる。


テニス部はわりと毎日部活があって、一緒に帰れるのは、試験前くらいだ。


それは陸上部も同じみたいで、三浦くんたちもホームルームが終わるとすぐに教室を出ていく。


帰宅部はこの学校では少ないみたいで、私はいつも一人で帰っていた。



――あーあ、私もなんか部活に入ろっかなぁ……



階段を降りながら、そんなことを思う。


運動部は無理だから、入るなら文化部になるだろう。


かといって特に手先が器用なわけでも、料理がうまいわけでもないから、手芸部や料理部は無理だ。


一人で出来て、みんなに迷惑のかからないのがいいなぁなんてぼんやりと思いながら下駄箱で靴をはきかえようとした。


ちょうどローファーを出して上ばきを脱ごうとしていたときだ。


カバンからかすかな振動が伝わってくる。