自分さえ気づいてなかったのに、なんにも言ってないのに、普通気づく?



「あ……の、大丈夫だから」



ただでさえ男子になれてないっていうのに、三浦くんとはいえ、足を触られるとか、ありえない。



「んー、どうしよっかな?バンソコとか持ってないし……」



――全然聞いてないし……



私の言葉なんか耳に入らないのか、一人でブツブツと考え込んでいる。


それも私の足を持ったままで。


しばらくすると三浦くんはゆっくりと足を下ろしてそのまま立ち上がった。


下駄の上にそっと置かれた足に、きんちょうしていた体からふっと力が抜ける。


ようやく解放された足をなんとか下駄の鼻緒に突っ込むと、ピリッと痛みが走って顔がゆがんだ。


そんな私の様子に気づいたのか、三浦くんが私の顔をのぞきこんでくる。



「大丈夫?」



――わっわっ!顔、近い!



三浦くんの距離感はいつも近くて、私は毎回ドキドキしてる。