だんだんと薄暗くなっていく空の色は、私をドキドキさせる。



夏の空は六時半頃でも昼間みたいに明るいから、薄闇になるのは七時をとっくに回る時刻だ。


夜に出歩く習慣のない私は、もうそれだけでいっぱいいっぱいで……いつもそんなときは愛里がそばにいてくれた。


例えば、初詣だったり、去年までの夏祭りにも、私の隣には愛里がいて、すごくたのもしかったのを覚えている。


転びそうになれば支えてくれたし、迷子になりそうになれば手をつないでくれた。


はたから見たら、姉妹みたいに見えたかもしれない。


そのくらい私は子供で、愛里がいなきゃなにもできない子だった。


だから今、愛里だけじゃなく、ほかの友達とも一緒に夏祭りに来ていることが、なんだかすごく不思議な気分で……


うれしいような、はずかしいような、それでいてドキドキする自分をもてあましていた。


隣を歩く愛里は、思ったとおり紺色の浴衣がよく似合う。


アップにした髪も色っぽくて、もともときれいな顔立ちなのに、さらにきれいに見せていた。


そんな愛里が自慢なのはまちがいないのに、やっぱり自分は幼い気がしてなんとなく引け目を感じてしまう。