翌日の土曜日、様子を見に翔さんが来てくれることになっていた。

ほんとは来てほしくない。
わざわざ来てもらってサヨナラするなんて最悪だ。

駐車場で待ち合わせた。
「お休みの日にごめんなさい」
助手席に乗り込んで、翔さんに缶コーヒーを渡すと「サンキュ」とニッコリしてくれる。
今はその笑顔がつらい。

「望、月曜日に退院できることになったの」
「よかった。鈴音ちゃん、学校休むんだろ?手伝えたらいいのにごめんな」
「ううん、もうじゅうぶん助けてもらった。すごく感謝してます」
「何改まってんの」