急にベッドに押し倒されて、俊稀があたしに覆いかぶさるようにしてゆっくり倒れた。
そのままくるっと身体を回されて上下が逆になり、あたしが俊稀の上に覆いかぶさるようになって…
ぎゅっと抱きしめられて、俊稀の初めての行動に戸惑いを隠せなくて…
「俊稀…?」
『…ははっ、わりーな。
びっくりさせて涙止めてやろーなんて思ってさ』
笑った俊稀は抱きしめる腕を解いて、あたしの頭をわしゃわしゃ触った。
『何か飲む?』
「うん」
『じゃぁ、ちょっと待ってて』
そう言って俊稀は身体を起こして、部屋から出て行ってしまった。
身体に残る俊稀の温もりが、温かくて…
それにまた、泣きそうになる。