「じい!大変だよ!……あれ?」

私たちがじいの家を覗き込むと、そこは空っぽだった。

「お姉ちゃん、じいいないね」

「うん」

どこに行ったんだろう。
いつもまだこの時間にはじい寝てるのに。

「じーいー」

ララが丘から町を見下ろして、じいの姿を探してる。

「じいー、どこー?」

私も一緒に探すんだけど、じいは見当たらない。

「見つからないね」

「そうだね」

ララはすごく困った顔をして首をかしげた。

カサカサ……

その時、私たちが登ってきたのとは反対の坂から足音が聞こえた。

「じい!!」

とたんにララが叫んで走り出した。

「ちょ、ララ!走ったら……」

「わあ!!」
「ぎゃっ!!」

危ないよ、って、もう遅いか……