「じい~!」

「ねこ吉じい!」

こてこてと転びながら後をついてくるララを気にしながら、私は丘を駆け上がる。

「おやおや、また来たのかいテト、ララ」

ねこ吉じいの格好は不思議。

てかてか光る透明なビニール袋を体に巻いて、首にはどこで拾ったのか、カラフルな大粒のビーズの腕輪を着けてる。


焦げ茶の地味なパサパサした毛と正反対で、身に付けているのはハデハデな、じい。



「どうしてそんなものを着ているの?」

一ヶ月前に初めて会ったとき私は尋ねた。


「冬は寒いじゃろ?」

そうやってじいは答えたけど、あの時は秋の始まりで、まだ衣替えには早かった。