「なんで私、あの時、気づいてあげられなかったのよ…」 好きな人に自分が喘息だとバレた。 その愛生の辛さに気づけなかった自分が悔しくて唇を噛み締めていると、先輩が私の肩をポンと叩いた。 「落ち着けって」 「先輩……」 「悠久と愛生ちゃんの間に何があったのかは分かんないけど、渡良瀬ちゃんが気に病むことはないだろ」 「でも……」