──────── 「びっくりしました。岩崎先輩、本当に歌上手だったんですね…」 日が落ちてきた街中を歩きながら、さっきまでいたカラオケボックスでのことを思い出す。 「だから言っただろ?これでも俺は上手い方なんだって」 「………」 得意げに言う先輩に、腹ただしい気持ちが湧いてくるけど言い返すのが面倒で私は黙ってしまう。 すると先輩が私の顔を覗き込んで一言、言った。 「…なんかあった?」