本気のパイライト



「あ、ごめんなさい!急いでて…」


「いや、俺の方こそ…」


「「え……?」」


覚えのある声に教科書を拾う手を止めて前を見れば、その人も同じように私を見る。


「岩崎先輩!」


「渡良瀬ちゃん!」


岩崎先輩と話すのは、あの合コンの日以来だった。