本気のパイライト



「…行くか」


「はい……」


また、1歩ずつ歩き始める。
今度は隣で、手を繋いで。


少し恥ずかしいけど、たったそれだけのことで私の心は嬉しい気持ちで跳ねてしまう。


私の隣で同じように少し恥ずかしそうにする先輩の顔を見れば、愛しい気持ちが湧き上がってくる。


あぁ、もう……、


「「好き」」


お互いに驚いた顔を見合わせれば、おかしくて笑い合ってしまう。


どうやら私達は、似たもの同士らしい。


始まりはゲームみたいな感覚だった。
それなのに、気づけば特別な想いに変わっていた。
この想いはずっと、大切にしていきたい。


だからこれからは、違うことでゲームをしよう。


~END~