本気のパイライト



「岩崎先輩っ!」


「渡良瀬ちゃん!」


「「え……」」


勇気を出して呼んだ名前は、先輩が私を呼んだ声と重なった。


「え、っと、何かあったか?」


「あ、いえっ、なんでもないです!先輩は?」


「あ、いや、俺もなんでもない…」


「そ、そうですか……」


「「………」」


む、無理…!!
告白なんてできないよ…!
先輩の顔を見ただけで恥ずかしくなっちゃうのに……。