本気のパイライト



──────────


「まさか俺の妹と渡良瀬ちゃんの弟が同じ中学で、しかも同じクラスなんてなー…」


「世間は狭いですね……」


チュロスの屋台に並ぶ秋良と月希ちゃんの姿を見ながら、私と先輩はベンチに座って同時にため息をついた。


「先輩、ため息なんてついてどうしたんですか?」


「…渡良瀬ちゃんこそ、ため息ついてどうしたんだよ?」


「私は別に……」


まさか電話の相手が先輩の妹さんだったなんて…。