「岩崎先輩……」 気まずさに戸惑っていると、私の元に辿り着いた先輩が少し肩を上下させながら口を開いた。 「その人が、渡良瀬ちゃんが言ってた大事な人……?」 「え……?」 先輩の視線の先には、不思議そうな顔をする 秋良の姿。 「あ……」 その言葉に私は、先輩に言っていた大事な人が弟だと隠していたことを瞬間に思い出した。