本気のパイライト



「そういえば俺、昼食べてなかったなー」


「あたし、チュロス食べたい!」


「よし、んじゃ受験勉強を頑張ってる妹に俺が奢って…────」


その時、俺の目にある姿が映った。


渡良瀬ちゃんと……、誰だ?


さっき一緒に話していた彼女の隣には、今は彼女よりも少し背の高い男が並んでいた。


「……っ、」


男の方を見て笑顔を浮かべる彼女の横顔が、俺の心をざわつかせる。


「もしかして、あいつが……?」