本気のパイライト



「はぁ……、いって!」


もう何回目かのため息をついていると、誰かに背中をバシンッと叩かれた。


「もぉ、さっきから何回ため息ついてんの!」


「月希……」


横に並んで歩く妹は、俺を見上げると笑顔を見せる。


「お兄ちゃん、高校の文化祭って楽しいんだね!
やっぱり受験する学校、ここにしてよかった!」


楽しそうに言う月希に、俺もさっきまでの気持ちを置いて笑みを浮かべた。