『わかった、1時半ね!お兄ちゃんのクラスに行くから待っててねー!』 「え、ちょ、おいっ!月希(るい)っ!」 一方的に会話を終わらせようとする妹の名前を思わず呼ぶと、次にはツーツーと電話が切れた音が耳に届いた。 勝手すぎだろ……。 ため息をついていると、俯いている渡良瀬ちゃんの姿が目に入る。 「渡良瀬ちゃん?どうした?」 ケータイをポケットにしまって言えば、彼女はゆっくりと口を開いた。 「……今の人、前の電話と同じ人ですか?」