嘘つきなキミ(続編)

ーはやとー

まさかこあが気づいてるなんてな...

ちゃんと話さないといけないな。
でも、なんて話せば...

治療が始まれば嫌でも分かってしまう。
その前に話さないといけないな。



俺はそんな事を考えていると、廊下が騒がしくなっていた。


ゆっくり起き上がり廊下に出た。


近くにいた看護師が俺に気づき駆け足で来た。


看護師「日向先生!!!ゆうきくんが!!!」


俺は急いで人だかりを掻き分けた。


「ゆうきっ!!!!」


ゆうきは胸を押さえ、顔を歪めてた。
急いで処置室へ運んでもらった。
しかし...
もう、ゆうきにしてやれることは何もない。

それでも、何かしてやりたくて...
本当は、使うつもりは無かった。
これだけはって思ってた。
でも...
ゆうきの苦しんでいる姿を見たら使うしか無かった...。


「相沢...。モルヒネ持ってきて...」


俺は俯き、みゆきの後輩の看護師の相沢に頼んだ。


相沢「...持ってきました。」


俺はモルヒネを受け取りゆうきの腕に刺した、、、。


ゆうき「あれ?急に痛くなくなった。」

「よかったな。」

ゆうき「はやと先生、ありがとう。」


そう言ってゆうきは笑った。

俺も、笑顔をむけた。

でもその時俺はきっと、困ったような笑顔だったんだろうな...
それでもゆうきの笑顔が崩れる事は無かった。

ゆうきの事だからきっと今の自分の状況にも、俺がモルヒネを打った事も全て分かっていたと思う...。
でも、俺の為に気付かないフリをしてくれたんだよな。
ゆうき...ごめんな...