嘘つきなキミ(続編)

ーあいー

はやとが出で行った後、こあが話し出した。

こあ「こあね、ゆうきの事すきなの...。お父さんにもお母さんにも言ってないんだけどね、小学5年生の時お母さんのガンが見つかって抗がん剤治療とかして、髪の毛がなくなっちゃったり、すごく痩せちゃったじゃん?それで、一時期調子が良くて家に帰った時に少しだけ一緒に買い物に出たんだ。その時に同じクラスの男の子にあったの...。次の日学校に行ったら、その男の子にお前のかあちゃん、ゾンビみたいって言って、笑われた。こあ、何も言い返せなかった。悔しくて、黙ってうつむいてるだけだった。」


私は何も言わず、こあの話を聞いた。


こあ「それでね、放課後...ゆうきが話しかけてきたんだ。その時こあ、またからかわれるって思ってた。でもね、ゆうきは違ったんだ。俺も、あの時、男の子と一緒にいたけどお前のかあちゃん病気なのか?って聞かれた。それで、私はなしたの。保育園から一緒だった友達にもお母さんの事話せなかったのに、今まで話した事もないゆうきに。ゆうきは何も言わず最後までこあの話し聞いてくれた。全部話し終わると、自然に涙が出てきた。ゆうきは、何も言わず何もせず、泣き止むめでただ隣に居てくれた。それだけで安心できた。」

「そんな事があったんだね...。」

こあ「うん。でね、次の日学校に行ったらその男の子が、クラスのみんなの前で言ったんだ。こあのかあちゃんは、ゾンビだって...。そしたらね、たまたまゆうきがうちのクラスにいて、怒ったんだ。こあのかあちゃんは、必死で病気と闘ってんだ。健康のお前に何が分かるって...。すっごい嬉しかった。その後、男の子も謝ってくれた。」

「じゃあ、その時にすきになったんだ!!」

こあ「今思えば、そうだったのかもしれない。でもね、こあがゆうきの事好きって事気付いたのはお母さんが死んじゃった時なんだ。お父さんすっごく落ち込んでたでしょ?私も落ち込んでたし、すっごく悲しかったけど、お母さんと約束したから...これからは、お母ちゃんの代わりにお父さんを支えるって。だから、泣かずに頑張ったの。でも、部屋に行くとやっぱり、泣いちゃったんだけどね...」


こあは、ちょっと恥ずかしそうに笑った。


こあ「その時も、ゆうきがこあのこと助けてくれた。大丈夫。俺がいるからって。」


こうへいが言った言葉...。
私は一瞬にしてあの光景がフラッシュバックされた。


こあ「あいちゃん...?」

「あっごめん、ごめん。続けて?」

こあ「うん。それでね、ゆうきはどんなにくだらないことでも聞いてれて、辛い時は抱きしめてくれた。だからこあは、こあで居られた。ゆうきが、どん底にいる私を救い出してくれたんだ。」

「そっかあ、そんな事があったんだね。気付いてあげられなくてごめんね...」

こあ「謝らないでよ!確かにあの時は本当に辛かったけど、もう大丈夫なんだから!」

「こあは、やっぱり強いね。」


こあは、へへへっと笑った。