それから少しして、こあは帰っていった。
俺は溜息をついた。
まさか、俺に好きな人が出来るなんて思ってもみなかった。
俺、どーすりゃーいいんだ?
ーコンコン
「はーい」
はやと「よっ!!」
「はやと先生...」
はやと「どーしたんだ?」
「こあに、嘘ついた。」
はやと「そっか。」
「怒らねえの?」
はやと「怒られる事なんかしたんか?」
「嘘ついたから。」
はやと「ぁあ。俺だって嘘ついた。確かに嘘はついちゃいけないな。でもな、時には嘘をつかなきゃいけない事だってあるんだよ。」
「嘘をつかなきゃいけない時...?」
はやと「おう。相手の為を思ってついた嘘は、いけない事では、ない事もある。最終的には傷つくかも知れない。でも、それは相手も分かってくれる。私の為を思ってついた嘘だったんだってね。俺はそう思ってる。」
「でも、それってその場しのぎにしかならないんじゃない?結局傷つけるんだから。」
はやと「まあ、そうとも言うけどな。じゃあ、ゆうきは、なんでこあに嘘ついた?」
「あいつには、笑っていて欲しいから...。もう二度と辛い目に合わせたくねえから...。」
はやと「こうへいにそっくりだな。お前の兄貴も同じこと言ってた。でも、なんでこうへいはあいに本当の事言ったと思う?」
「...兄貴は強いから...。」
はやと「それわ違うな。こうへいは、強くなんてなかった。どちらかと言えば弱かったよ。」
「...え?」
はやと「こうへいは、あいに泣きながら言ったんだ。嘘でもいいから本気で愛してるって言ってって...。あいつも、死ぬのが怖かったんだよ。大好きなあいを残して死ぬのがな。だけど、なにも言わないで、何も知らないままこうへいが死んだらあいは後悔するし、立ち直れないと思うって俺は話した。そしたら、こうへいな言ったんだ。俺からちゃんと話すから、まだ黙っててって...。」
「やっぱ兄貴つえーじゃん。。。」
はやと「でも、病気のこと話す直前まで悩んでたぞ。こんなに楽しそうなのにって...俺の言ったたった一言であいの笑顔を奪っちまうって...。そこまでして、あいつらに言うべきなのかって...。」
「...でも、言ったんだろ?」
はやと「ぁあ。言ったよ。俺の心臓はもう限界なんだって。明日から入院するからもう会えない。面会謝絶だからって。」
「あい先生は...?」
はやと「あいは、、、もう会えないなんて言われても受け止められる程私は大人じゃないって言って泣いてた。」
「例え相手がそうなっても話してよかった?」
はやと「俺は、話してよかったと思ってる。知らないまま大切な人と離れ離れになるより、いくら残酷でも、受け入れるまでにどんだけ時間がかかろうとありのままの事実を話した方がいいと思うよ。」
「なんで...なんで、そんなに強くなれるの...?」
はやと「強くなるんじゃない。ただ、少しの勇気と覚悟を決めただけなんだ。」
「覚悟か...。」
はやと「うん。覚悟。」
「その後兄貴は...なんて言ったの?」
はやと「ぁあ。俯いて唇を噛み締めて、今にも泣きそうな、悔しそうに顔を歪めて『ごめん。』って言った。結局1番辛いのはあいつだった。」
「兄貴は、それでも幸せだったのか?」
はやと「それわ、俺にも分からない。でも、一つだけ言える事がある。こうへいは、息を引き取る直前まで笑顔だった。今から自分が死ぬって言うのにあいつは、あいに笑えっていった。」
「あい先生は?」
はやと「あいは、首をふったよ。でも、こうへいはお前の笑顔が大好きだって。だからあいは涙を流しながら笑った。そしたら、あいつ満足気な顔してた。それから最期にこうへいあいに愛してるよ。って言ったんだ。あいも、こうへい愛してるって言ってた。そしたらあいつもう一度微笑んでそのまま眠るように息を引き取った。」
「そっか...」
俺はそれ以上言葉が出てこなかった。
はやと「本当のことは本人にしか分からない。でも、俺はこうへいは幸せだったと思う。」
「そうだな...。きっと兄貴は幸せだったよな。」
はやと「おう。じゃあ、俺はそろそろ行くな。」
「はやと先生、ありがとう。」
はやと先生は何も言わず、微笑んで部屋から出て行った。
俺は溜息をついた。
まさか、俺に好きな人が出来るなんて思ってもみなかった。
俺、どーすりゃーいいんだ?
ーコンコン
「はーい」
はやと「よっ!!」
「はやと先生...」
はやと「どーしたんだ?」
「こあに、嘘ついた。」
はやと「そっか。」
「怒らねえの?」
はやと「怒られる事なんかしたんか?」
「嘘ついたから。」
はやと「ぁあ。俺だって嘘ついた。確かに嘘はついちゃいけないな。でもな、時には嘘をつかなきゃいけない事だってあるんだよ。」
「嘘をつかなきゃいけない時...?」
はやと「おう。相手の為を思ってついた嘘は、いけない事では、ない事もある。最終的には傷つくかも知れない。でも、それは相手も分かってくれる。私の為を思ってついた嘘だったんだってね。俺はそう思ってる。」
「でも、それってその場しのぎにしかならないんじゃない?結局傷つけるんだから。」
はやと「まあ、そうとも言うけどな。じゃあ、ゆうきは、なんでこあに嘘ついた?」
「あいつには、笑っていて欲しいから...。もう二度と辛い目に合わせたくねえから...。」
はやと「こうへいにそっくりだな。お前の兄貴も同じこと言ってた。でも、なんでこうへいはあいに本当の事言ったと思う?」
「...兄貴は強いから...。」
はやと「それわ違うな。こうへいは、強くなんてなかった。どちらかと言えば弱かったよ。」
「...え?」
はやと「こうへいは、あいに泣きながら言ったんだ。嘘でもいいから本気で愛してるって言ってって...。あいつも、死ぬのが怖かったんだよ。大好きなあいを残して死ぬのがな。だけど、なにも言わないで、何も知らないままこうへいが死んだらあいは後悔するし、立ち直れないと思うって俺は話した。そしたら、こうへいな言ったんだ。俺からちゃんと話すから、まだ黙っててって...。」
「やっぱ兄貴つえーじゃん。。。」
はやと「でも、病気のこと話す直前まで悩んでたぞ。こんなに楽しそうなのにって...俺の言ったたった一言であいの笑顔を奪っちまうって...。そこまでして、あいつらに言うべきなのかって...。」
「...でも、言ったんだろ?」
はやと「ぁあ。言ったよ。俺の心臓はもう限界なんだって。明日から入院するからもう会えない。面会謝絶だからって。」
「あい先生は...?」
はやと「あいは、、、もう会えないなんて言われても受け止められる程私は大人じゃないって言って泣いてた。」
「例え相手がそうなっても話してよかった?」
はやと「俺は、話してよかったと思ってる。知らないまま大切な人と離れ離れになるより、いくら残酷でも、受け入れるまでにどんだけ時間がかかろうとありのままの事実を話した方がいいと思うよ。」
「なんで...なんで、そんなに強くなれるの...?」
はやと「強くなるんじゃない。ただ、少しの勇気と覚悟を決めただけなんだ。」
「覚悟か...。」
はやと「うん。覚悟。」
「その後兄貴は...なんて言ったの?」
はやと「ぁあ。俯いて唇を噛み締めて、今にも泣きそうな、悔しそうに顔を歪めて『ごめん。』って言った。結局1番辛いのはあいつだった。」
「兄貴は、それでも幸せだったのか?」
はやと「それわ、俺にも分からない。でも、一つだけ言える事がある。こうへいは、息を引き取る直前まで笑顔だった。今から自分が死ぬって言うのにあいつは、あいに笑えっていった。」
「あい先生は?」
はやと「あいは、首をふったよ。でも、こうへいはお前の笑顔が大好きだって。だからあいは涙を流しながら笑った。そしたら、あいつ満足気な顔してた。それから最期にこうへいあいに愛してるよ。って言ったんだ。あいも、こうへい愛してるって言ってた。そしたらあいつもう一度微笑んでそのまま眠るように息を引き取った。」
「そっか...」
俺はそれ以上言葉が出てこなかった。
はやと「本当のことは本人にしか分からない。でも、俺はこうへいは幸せだったと思う。」
「そうだな...。きっと兄貴は幸せだったよな。」
はやと「おう。じゃあ、俺はそろそろ行くな。」
「はやと先生、ありがとう。」
はやと先生は何も言わず、微笑んで部屋から出て行った。


