嘘つきなキミ(続編)

ーゆうきー

まさか、先生の好きな人が兄貴だと思わなかった。
俺の知らない兄貴が知れて嬉しい反面、戸惑っている自分もいた。


ーコンコン

「はい。」

ーガラガラ

「はやと先生...」

はやと「ゆうき、あいから話し聞いたみたいだな。」

「聞いたよ。ビックリした。」

はやと「ははは。だろーな。こうへいは、俺の親友だ。そして、結局付き合わなかったけど、あいの恋人だった。」

「付き合ってなかったの?」

はやと「うん。両思いだったけど、付き合わなかった。」

「なんで?」

はやと「こうへいが、あいの笑顔を守りたかったから。」

「どーゆーこと?」

はやと「こうへいは、あいの笑顔が大好きだった。でも、こうへいは俺は、病気だからあいつのこと守ってやれねえから想いは伝えないし、病気のことも言わないって最初は言ってた。でもあいつが倒れて病院に運ばれた時、あいが私のせいだって言って自分を責めて、過呼吸になって意識を失った事があった。」

「え?なんで?あい先生のせいなの?」

はやと「あいのせいってわけじゃないんだけど、まあ俺らも病気の事黙ってたから、なんとも言えねえんだけど...ある日の体育の時たまたま02クラス合同でバスケをやった事があったんだよ。そん時クラスの奴がこうへいを挑発したんだよ。いつもサボってんのは、運動できねえからだろって。それで、こうへいバスケやっちまったんだよ。それで倒れたの。」

「それで、なんで先生のせいなん?」

はやと「試合が始まっても、こうへいはコート内で突っ立ってた。でも、あいがこうへい頑張れって言ったんだ。そしたら、あいつ急に走り出してゴール決めて倒れた。」

「かっこわる...」

はやと「そんな事ねーよ。こうへいはめちゃくちゃかっこいいよ。俺だったらいくら好きな人に応援されたからって、発作のが怖くて走れねーよ。しかも、こうへいは喘息も持ってたから、同時に起きたら最悪な事になってたかも知れない。そんな事本人が1番分かってたはずなんだけどな。」

「自分の命より、好きな人を選んだってこと?」

はやと「そーゆー事!あいつは、まぢですげーよ。」

「そっか。。。でも、俺には理解できねー、、、」


ーコンコン


「はい!」

ーガラガラ

「光愛」

こあ「あれ?お父さんなんでいるの?」

「はあ?!お父さん?」

こあ「そうだよ?私のお父さん!」

はやと「こあ、何してんだ。ゆうきと知り合いだったのか?」

こあ「そうだよ!ゆうきと同じクラスだもん。」

はやと「そうか。じゃあ、そろそろいくな。」

こあ「ぁあーちょっと待って!!」

はやと「ん?」

こあ「宿題で、名前の由来聞いて来いってー、こあの名前の由来なに?あと、お父さんとお母さんどっちが付けたの?」

はやと「名前はお母さんがつけた。」

こあ「お母さんなんだ。。。由来は?」

はやと「由来は、ゆうきのお兄ちゃんの一文字とあい分かるだろ?あいつの名前からもらった。あいつらみたいに愛に溢れて、幸せになれるよーにな。」

こあ「え?ゆうきのお兄ちゃん?」

はやと「うん。光に平でこうへいって言うんだだ。」

こあ「ゆうきにお兄ちゃん居たなんて初めて知った。」

はやと「だろーな。こうへいは、こあとゆうきが生まれる10年くらい前に亡くなってるからな。」

こあ「え?じゃあ、ゆうきもあった事ないの?」

ゆうき「ないよ。写真でしか見たことない。」

こあ「ごめんね...。」

ゆうき「なんだよ。」

はやと「まあ、こうへいは、いつまで経っても一生俺の親友であり、あいの恋人だ。お前もいつまでもひねくれてねえで、好きな人1人や2人作ってみろ!!そうすれば、こうへいの気持ちわかんじゃねーの!!」

そう言ってはやと先生は部屋を出て行った。