嘘つきなキミ(続編)

ーはやとー


俺は、露天風呂へ行った。


時間が遅いせいか、風呂には誰も居なかった。


隣からあいとこあの話し声が聞こえ、静かにお湯に浸かった。


あいつらは、多分俺の話をしてる。
すぐにそう思った。


こあ「それ、ちょっとずるいね。」


は?ずるい?


あい「でしょ?実は私もそう思ってた。でもね、違ったんだ。こうへいは、私達の笑顔を守りたかったんだって。」

こあ「え?」

あい「今日行った遊園地あるでしょ?そこね、こうへいが亡くなる2日前に4人で行ったんだよね…。」

こあ「4人?」

あい「うん。こうへいとはやととみゆきで…」

こあ「そうなんだ…。」


俺はなんだか、涙が出そうになった。


あい「うん。こうへいは、最期に思い出を作りたかったみたい。それでね、最終日に私達に本当の事話そうと思ったみたい。でもね、その時思ったんだって。。。俺が病気の事を話したらこんなに楽しそうに笑ってるのに一瞬でこの笑顔を奪っちゃうかもしれないって…。」

こあ「…」

あい「でもね、今思えばこうへいの口から本当の事を聞けてよかったって思ってる。」

こあ「辛かったでしょ?」

あい「うん。すごーーく辛かった。でも、知らないままだったら、ちゃんとお別れ出来なかった。なんで?なんで?ってなっちゃってたと思う。ゆうきくんの時もそうだったでしょ?分かってたからちゃんとお別れ出来たでしょう?」


あい、強くなったな。。。


こあ「出来たのかな…?まだ伝えたかった事たくさんあった。」

あい「そうだよね。私もそうだった。でもね、1番大切なことは伝えられたよ。」

こあ「大切なこと?」

あい「うん。こうへいが世界一大好きだって事。」

こあ「こあは、ゆうきに伝えられたのかな…?」


やっぱり、こあ辛いんだよな…
なんもしてやれんくて、ごめんな。。
俺は心の中で、こあに謝った。


あい「きっと、伝わったと思うよ。」

こあ「そうだといいな…。」

あい「大丈夫。きっと伝わってるよ。」

こあ「あいちゃん、ありがとう。」

あい「うん。」


俺は、これ以上聞く勇気がなく、風呂から上がって、部屋へ戻った。