嘘つきなキミ(続編)

ーはやとー

俺は、ゆっくり身体を起こした。
そして、屋上へ向かった。


ーギィ

少し錆びれたドアを開けると、心地よい風が吹いていた。


「あい。」


あいは、俯いて何も言わなかった。


「ごめんな。赤羽先生に言われて気付いたよ。俺が間違っていたことに。」


あいの鼻をすする音が聞こえた。


「なあ、あい。俺、今すっげー後悔してることあんだよ。」

あい「え?」

「なんだと思う?」


あいは、何も言わず首を振った。


「病院にいる事。」

あい「…え?」

「俺、退院しようと思ってる。」

あい「…なんで?」

「一生に一度きりの人生、後悔するな。覚えてる?こうへいがよく俺に言ってた言葉。」


あいは頷いた。


「だから、あと1ヶ月。俺は、精一杯自分らしく生きたいんだ。」


あいの目からは次々と涙がこぼれ落ちた。


「いつも、お前の事泣かせてるな。」


あいは、首を振り涙を拭った。


「あい。もう少しだけ俺のわがままに付き合ってくれない?」

あい「…え?一緒にいていいの…?」

「ぁあ。これからも、辛い思いたくさんさせちゃうかもしれない。でも、あいさえ良ければ最期の一瞬まで、俺の側にいてください。」


俺は、頭を下げた。


あい「よろしくお願いします。」


そう言ってあいは、微笑んだ。