ーこあー

おばさん「こあちゃん。」

「おばさん…」

おばさん「ゆうきは、幸せものだね。」

「え…?」

おばさん「でもね、今のこあちゃんは、昔のあいちゃんにそっくりよ。だから、少し心配…」

「昔のあいちゃんに?」

おばさん「ぇえ。そうよ。あいちゃんも今のこあちゃんと同じ顔してた。」

「え?」

おばさん「こうへいが、亡くなった時よ。」

「ゆうきのお兄ちゃん…。」

おばさん「ぇえ。あの子が亡くなって1年ちょっと経った頃ね、あいちゃんは、こうへいに会いたくて、自殺を図ったの。。。」

「…今ならあいちゃんの気持ちわかる気がします…。」

おばさん「こあちゃん、命を無駄にしないで。それは、ゆうきの為に」

「ゆうきの…?」

おばさん「そう。ゆうきの為に。あの子は死にたくなかった。でも、運命には逆らえなかった。だからね、ゆうきが生きたくても生きられなかった時間、こあちゃんには、一生懸命生きて欲しいの。」


こあは、うつむきなにも言えなかった。


おばさん「ゆうきだけじゃないのよ?生きたくても生きられない人って世界中にたくさん居るのよ。でもね、それもその人達の運命だから仕方がない事だと思う。だからこそ、生きられるのって奇跡だと思わない?その人達が生きたくても、生きられなかった時間、私達は精一杯生きないといけないの。私はそう思ってるよ。」

「おばさんは、強いね…。私は、辛くて苦しくて、心の中に大きな穴が空いていて、どうしたらいいかもう、分かんないよ…」

おばさん「こあちゃん?いい?ちゃんと前を向いて歩いて行きなさい。ゆうきは、いつまでもこあちゃんの一番近くで見守ってくれてるから。」


こあは、泣きながら何度も頷いた。