怒鳴り合いのケンカのようになる。

でも、先輩たちの表情が引き締まっていくのが分かる。

大丈夫だ。このチームは死んでない。…なら、勝てる!!

なおも言い返して来ようとしていた葛城先輩を、キャプテンが肩をつかんで止める。

その目はもう、先程までの悲しみが感じられないほど、士気が籠っていた。

「荻原の言う通りだ。ここで勝たなきゃ、全国なんて目指せるわけがない」

「蛍斗…」

「それに、むしろ喜んでやろう。相手は全国常連。練習相手にはこれ以上にない相手。そう思わないか?」

キャプテンの言葉にチームは完全に息を吹き返す。

全員の目に士気が宿る。その目はキラキラしていて、まるであの頃のみんなを見ているようだった。

「ほら、練習再開だ!!」

「「「おぉ!!」」」

威勢のいい声が響く。グランドに駆け出していく彼らを見つめる。

…みんなを勝たせるために、オレが出来ること。

それを意識して練習に打ち込む全員を見る。

その日の練習は下校時間ギリギリまで続いた。