一通りあいさつを終えて、特別に明日練習に参加させてもらえることになって、部室を出る。

…認めてもらえたってことでいいんだよな?

これで、オレも月掛高校男子サッカー部の一員なんだ!!

急に実感してきて、胸が熱くなる。兄貴たちに報告しねぇと。喜んでくれるかな?

「っなぁ!荻原、だよな?」

「お、おう…」

びびった…。人の感動邪魔すんなよ…。

とは言えずに向き合うと、松谷は笑みを浮かべる。こいつ、笑うと目細くなるんだな。なんかかわいい系?でも、こういう奴は大体運動神経いいんだよなぁ。

「俺、1組の松谷 彰矢!よろしくな!」

「とりあえず移動しようぜ。先輩たちの邪魔になりそうだ」

「え、あ…あぁ、そうだな!」

とりあえず歩き出したけど、一緒に帰るのかこれ?まぁいっか。

「7組の荻原 雪兎。雪兎でいいぜ」

「んじゃ、俺のことも彰矢って呼べよ」

「彰矢な。りょーかい」

1年の波がある。帰り途中か。

その波に乗りながら、駅の方角に歩き出す。彰矢も着いてくるってことは、こいつは駅から電車か?