だからと言って、どうすればいいんだろう。

どうすれば、認めてもらえるんだろう。

いままでずっと、認められなくても平気だったせいで打ち解けないままに過ぎていた。そのせいでろくな考えが出てこない。

「何サボってんだ」

急にかけられた声に驚いて振り返る。そこには、呆れ顔をした滝原がいて思わず身構える。

そういえば、滝原とも最近話していない。塩岡なんてもっとあからさまで、女って判明してから話していない気がした。

って今はそれどころじゃない。滝原はため息をつくと、オレが磨き終えたボールの入ったかごを引いていく。大方、練習試合の形式が終わったんだろう。

「いいよ。オレが持ってく」

「1年が持ってこいって言われたんだよ」

「オレだって1年だ」

言い返すと、滝原はため息をつく。