あいつら…。

確かに誤解されるようなことしてるかもしれねぇけど、他人にとやかく言われるいわれはねぇよ!

愛華の腕を掴んで止め、声を潜める奴らを睨む。

「ゆき?」

「おい、お前ら…」

「高校生にもなってまだそんなんやってんのか?」

向かおうとした俺よりも早くあいつらの前に立った滝原に思わず足を止める。背中しか見えねぇけど、何となく滝原が怒ってるのは分かった。

「何だよお前。俺らは別に…」

「嫌味言ってるくせに、しらばっくれんなよ。お前らも」

「ッ…」

男子に対して女子はあからさまにしまったと言わんばかりの顔をする。それは、自分にとって不利になることをしたと自覚してる反応だ。

「それに、荻原は女だ」

滝原の言葉に教室は静まり返る。

でも、すぐに教室中に動揺が走り、視線が突き刺さる。