「いっただきまーす」
律儀に両手を合わせた彰矢だけど、その前にある量に正直胃がもたれそうになる。
ハンバーガー3個にポテト、ナゲット、Lサイズのジュース…。
こいつ、晩ご飯いらねぇんじゃないか…?
こっちの心配をよそに、かぶりつくように食べていく彰矢はオレの視線に気付いて手を止める。
「雪兎も食えば?」
「いや、ムリ…」
あんなん食ったら晩ご飯入らねぇ…。青羽に怒られるのが目に浮かんで思わず身震いした。
彰矢は食いたかったら摘まんでと言ってまたかぶりつくように食べ始めた。
それをのんきに眺めつつ、唯一頼んだアイスを食べた。
「雪兎さ、なんであんなに観察力?ってあんの?」
「あぁ…」
半分くらい食べたところで声をかけてきた彰矢に、生返事をしてしまう。
「オレにはどうしても必要だったから、小さいときから叩き込まれた」
「雪兎いつからサッカーやってた?」
「んー、6歳くらい…かな。彰矢は?」
「俺は3歳!兄貴がやってたからな!」

