そこからは先輩たちの猛攻が続いた。
何度かヒヤリとしたけど、こっちのゴールは揺れることなく時間が進む。
そして、最後の最後にキャプテンが放ったシュートがゴールを揺らしたところで試合が終わる。
「…ふぅ」
な、何とかもったなぁ。
誰にも気づかれないようにため息をつく。…でも、割りとギリギリ?これ以上動くのはヤバそうだな…。
「引き分けかぁ」
「くっそぉ最後やられた」
悔しそうな顔をする滝原と塩岡に苦笑いする。ここまでやれただけでも褒めて欲しいくらいなんだけどな…。
頭をかいていると、後ろから飛び付かれる。
「雪兎!お前スゲーよ!!」
「重いっ!!」
つぶれるっ!離れろぉおおお!!
飛び付いてきた彰矢を何とか振り払おうと暴れる。
その時、不意に目の前が揺れる。ヤバ…。
倒れかけた時、腕を捕まれて何とか踏みとどまる。
「大丈夫か」
「あ、あぁ。サンキューな、くま」
か、軽々と支えるのなぁ。
くまの手を借りて何とか立て直すけど、くまの視線が痛い。…バレてる?

