「このまま突き放そうぜ!」
「いや、多分守るので必死になりそ」
「え?」
「先輩たち、顔がマジになってんぞ」
「えぇ!?」
まあ、今日初めて組んだ1年に負けるわけにはいかねぇよなぁ。
先輩たちの心情が嫌でもわかる中、なんとか守る方法を考える。彰矢を下げるか下げないかなんだよな…。
でも、多分20分試合だし、それならオレが動けばいいか…。
「彰矢には速攻するために下がらないでもらう」
「おう!いいぜ!!」
「なら、俺と雪兎が下がるでいいんだな」
「そういうこと。まぁ、なんとかなるだろ」
得点を狙うのではなく、あくまで1点を守り通す。得点を狙う分、オレ自身も動かないといけねぇしな…。
作戦が決まると、先輩たちの作戦会議も終わる。
目がマジになってる先輩たちがポジションに着くと、息が詰まるような緊張感に襲われる。
それを深呼吸で払い、目の前に集中した。

