「滝原!」

軽く手をあげてパスを要求すると、さっとボールをくれる。

DFは3人。カバーに滝原が着いてきてくれるけど、俺の足で行けるかな?彰矢にさっさとパスすべき…か?

とか考えてるうちに先輩が前に立つ。

…ここは、オレが行くべきだっ

一瞬足を止め、右に視線を流した直後に左にボールを流す。それでも着いてこようとする先輩とボールの間に身を滑り込ませる。

更にボールを後ろに戻したように見せかけてから思いっきり前に出る。

「マジか!?」

「…」

足を縺れされた先輩が止まってる間に更に前へ。

それを見てた先輩たちがオレに向かってきたのを見て、彰矢にパスを流す。

「ナイス雪兎!!」

彰矢が一気に攻めていくのに追い付けない先輩たち。きっちりゴールを決めた彰矢が喜ぶ姿に少しだけ笑えた。