「っえ?」

気づけばボールはゴールの中。

ゴール前で構えていた塩岡は1歩も動いていない。ゴールに入ったボールを見つめる目は信じられないと言わんばかりだった。

「塩岡!!どこ見てんだよ!?」

「え、あ……わ、わりぃ」

滝原の苛立った声が響く。

塩岡は動揺しながら謝罪を口にするものの、今の事態を理解してない。

当たり前だ。今は塩岡の注意の外で動いてた。瞬時に理解しろと言うのが無理だ。

「うわぁ、先輩スゲーな」

「…なぁ彰矢」

「ん?」

「ゴールさせてやるから、オレが今から言うことやってくんない?」

「え?」

キョトンとした彰矢の顔に思わず笑う。

さてと、反撃しますか。