「悪い!塾の夏期講習始まっちまうんだよ」

「そ、そんなぁ…」

「彰矢。先輩、お力添え、本当にありがとうございました」

露骨に落胆する彰矢の頭を軽く叩きつつ、先輩に頭を下げる。

楽しかったよと笑う先輩に、ついでに入部も待ってると伝えたけど爽やかに断られてしまった。

冬季スポーツに熱を注いでいるらしい。冬時期は絶対部活に来れないからと、先輩は笑う。

そんな助っ人を失った状態で勝てるわけもなく、次の試合では見事なまでにボコボコにされて、夏の大会は幕を閉じた。

助っ人のもう1人の先輩は、部活よりバイトに熱を注ぐタイプで、こちらも清々しいほどさっぱりと入部は断られた。