ニヤリと笑みを浮かべる葛城さんに、響先輩と顔を見合わせる。

まさか、引退した先輩が戻ってきてくれるとは思わなかった。

でも、助っ人としてはこれ以上にない人材だ。

立ち上がり、手を差し出す。

「もちろん、歓迎します。よろしくお願いします」

「おぅ、よろしく」

しっかりと繋がれた手。

交代要員はないと見ても、何とか試合は成り立つはず。

「では、助っ人も揃ったので、夏の大会を目指して練習始めましょうか」

オレの宣言に部員たちの表情がパッと明るくなる。

楽しそうな顔につられて口角が上がる。

懐かしいな、青葉や直矢たちもこうやって喜んでたっけ…。

張り切る選手たちの姿に、ずっと憧れていた姿が重なった。