オレが撒いた種とはいえ、女子サッカー部に与えたダメージは思っていたよりずっと重いものになってしまったらしい。
少なからず罪悪感を抱かずにはいられなかった。
「…監督にお見舞いついでに復帰のことを聞いてみるわ。荻原さん、変なこと話してごめんなさいね」
「いえ、元はと言えばオレが…」
「ううん、荻原さんは自分の居場所を守ろうとしただけじゃない。悪いのは全部、自分勝手に理想を押し付けようとしたこっちなんだから」
笑ってくれる先輩2人。理想を押し付けようとしたのも、実行に移したのも先輩たち本人じゃないのに。
オレよりもずっと、大人の対応をする先輩たち。その姿はかっこよかった。
「荻原さん、たまに相談だけでも乗ってくれる?」
「…分かりました」
ここで断るのは、良くないだろう。歩み寄ってくれる先輩をこれ以上無下にできない。

