青羽は基本的に無理強いしない。

俺と雪兎が何度衝突していても、どっちつかずで、だからといって突き放すわけでもない。

だからか、雪兎は青羽の言うことは割と素直に受け取ることが多く、俺の言うことは反論してくることが多い。

「直矢はなんか食う?」

「お前は?」

「今日は実家帰ろうかなと思ってさ。なんか食べるなら作ってくけど」

「ならいい。ゆっくりしてこいよ」

「そう?じゃ、行くね」

青羽はさっさとおかゆだけ作って帰っていく。

青羽が帰った部屋は静かで、何となくテレビをつける。特に何か見たかったわけではないせいで、内容は全く入ってこない。

すぐにテレビを消して、音のない部屋でため息をついた。

直矢side end