夢を追え!!


「では、論点を変えましょう。こちらが正当な手順を踏んでここを使うのに対し、あなた方はどうです?押しかけでは?」

「去年まで、ずっと春の大会以降は女子が使ってたわ」

「なるほど、暗黙の了解と言うわけですね。ただ、それは昨年までは“男子サッカー部がここを利用していなかったから”、使っていただけですよね」

わざとらしくため息をついた。もう一度、顔を上げ彼女たちを睨みつける。

「もう一度言います。練習の邪魔です。お引取りください。ここは、オレたち男子サッカー部の練習場所。それを否定される理由なんて、どこにもありませんよ」

苦虫を噛んだような顔をする3年に対して、2年、1年は怒りを露わにさせる。

それでも、3年が諦めているのは表情から分かる。

話は終わっただろう。いつの間にか着替えを済ませたみんなの元へ行こうと彼女たちに背を向けた。