「はぁ、とりあえず。部員が失礼しました」
ため息が思わず出たのは許してほしい。
彼女たちに向き合うと、以前のミニゲームのときに出ていた顔があった。
それを見て確信する。女子サッカー部の監督は、チームを立て直すことが出来なかったらしい。
それどころか、恐らく…。
憶測はあとだ。とにかく、この人たちには悪いけど、やりたいこともやらなきゃならないこともたくさんある。
「とりあえず、ご用件は?」
「っ練習の邪魔よ!退きなさいよ」
「なぜ?その主張はむしろこちらのセリフだと思いますが」
高圧的な態度で出てこられるなら、こっちだって容赦しない。
「そっくりそのままお返しします。練習の邪魔です。お引取りください」
「なんですって!?」
「第一、このグランドは男子サッカー部の練習場所です。おまけに、ここのグランド使用許可は男子サッカー部が申請し、正式に許可を頂いています。押しかけて来た挙げ句、不当な要求をしているのはそっちですよ」

