3週間後。
それぞれ自分の解答用紙を見つめていた彰矢と塩岡は、互いに顔を上げたかと思うと、歓声を上げながら飛び上がった。
そんな様子に心の底から安堵の息を漏らした。
「一時はどうなるかと思った…」
「でもまぁ、よかったなお前ら」
何とか赤点は回避できた。塩岡の物覚えの悪さには肝が冷えたけど、あの手この手でどうにかなった。
いや、マジでヒヤヒヤしてたけど。
「でも、これで夏の大会には出れるんだろ?」
岩田の言葉に、その場にいた全員の視線がこっちに向く。
そのやる気に満ちた目に思わず笑った。
「あぁ。大会エントリーの前提条件はクリアしてる。あとは、助っ人を見つけられれば出れるよ」
「「よっしゃー!!」」
またも声を上げるのは彰矢と塩岡。
他のメンバーも態度には現さないけど、楽しみにしてるのがその表情から伝わる。

