「でも、ご迷惑じゃ…」
「もう作っちゃったよ?」
「青葉のご飯おいしいよ」
「へぇ、じゃあ明日は酢豚ね」
「え…」
青葉が意地悪だ。
むくれて青葉を睨んでいるのに、全く涼しい顔。くっそう、青葉め…。
「…じゃあ、お言葉に甘えて、いただきます」
どこか緊張した顔でそう言った彰矢は、ふと我に返ったように親に電話してくると電波が届きやすいベランダに出てった。
「学校楽しい?」
「うん、楽しいよ」
「ならいいけど。あんまり夜更かししないように」
「…なんで知ってんの?」
「そりゃ、ゆきの親代わりだよ?ちゃーんと見てるよ」
頭わしゃわしゃなで回された。
ずっと子ども扱いなんだよなぁ。まぁ、そうだろうけど…。

