残念ながら赤点待ったなしの奴がいる以上、練習を割いてでも勉強するしかない。

いや違う。させるしかねぇ。

「わりぃけど、今回赤点とってもらうわけにはいかねぇから、覚悟しとけよ彰矢、塩岡」

「お、おっす…」

「…」

戦きながらもやる気を見せる彰矢に対して、早くも戦意喪失しかけている塩岡。

ついでに無言の萊先輩は、響先輩に肩を叩かれてる。

「そういえば、今回中間テストと合わせて平均30点取れなきゃ夏休み補習って言ってなかったか?」

岩田の発言に思わず口を塞ごうとしたけど、完全に石化した塩岡を見て遅かったとため息をつく。

あまりにもやる気がなかったときの爆弾にと思ってたけど、ここで追い討ちかけるはめになるとは…。

「もちろん、今回のテストで赤点でも再試はあります。しかも、大会の翌日。大会には出られないんで、誰かが赤点の時点で大会へのエントリーはなしです」

ここまできたら伝えない意味もないだろう。

3人に走る緊張やらプレッシャーはかなり強くなっちまった。