「二木はさ、周りに合わせるのが得意で、合わせ過ぎるのが欠点だよなー」

「響先輩って二木先輩と仲いいんですか?」

「別に。同じクラスでもねぇし」

「そうっすか」

担がれたままだし、すれ違う人たちにスゲー見られてるけど、気にしないことにした。

あと、響先輩いろいろ適当。

でも、と付け足した響先輩の言葉に耳を傾ける。

「俺は見切りつけるのはえぇけど、二木は最後まで絶対諦めない。そこは尊敬する」

「…それは、キャプテンに言ってあげたらどうですか?」

「嫌だね」

「…そうっすか」

結局、部室まで担がれたまま。

もちろん笑ったやつらはボコってアップに出したけど。

本当に大丈夫かと心配だったけど、間もなくしてキャプテンを連れてきた萊先輩にほっとした。

キャプテンは少し気まずそうだったけど、彰矢が犬みたいに喜んでたからまぁすぐに馴染んでた。