「はいはい、辞めればいいんだろ。辞めれば!」
「言葉だけじゃなくて、形にしようよ。退部届書けよこの場で」
あれ、反論してこない…。ってなぜ萊先輩は退部届持ってるの!?
そしてなぜ素直に書いてるんだ先輩方!!
「これでいいだろっ!じゃあな」
投げ捨てられるかのように名前の書かれた退部届はその場に残されて、先輩たちは行ってしまう。
その後ろ姿が投げやりになってしまっているように見えて、少し心苦しかった。
「監督、先生に出しといてくれる?」
「あ、はい…。って、なぜ響先輩と萊先輩がここに」
「なぜって、2年の教室のある階だろ。たまたま通りかかったから」
「では萊先輩が退部届を持っていた理由は?」
「ん?あいつらに話つけるため。まさか監督が出張るとは思ってなかったけどなー」
萊先輩、やはり策士…。いや、もう悪意を持ってるのかすら分からない。

