夢を追え!!


翌日。

「監督、紹介したい奴がいるんだが」

「はい?」

五十嵐先輩に呼び止められて振り返ると、見たことがない男子生徒が1人、五十嵐先輩の隣に立っていた。

先輩が連れてきたということは先輩?

居ずまいを正して向き合うと、交友的に微笑まれる。

「2年の近藤 萊(こんどう らい)。入部希望者だ」

「…え?………っえ!!?」

入部希望者!?

思わず五十嵐先輩と近藤先輩の顔を交互に視線を向けると、近藤先輩の方が手を差し出してくる。

「響から話は聞いてる。よろしくね、荻原さん。…いや、監督って言った方がいいのかな?」

「っ荻原 雪兎です。荻原でも、雪兎でも好きなように呼んでください。歓迎します」

我に返って握手をするけど、動揺は押さえられない。

まさか立て続けにもう1人先輩が入ってくれるとは思っても見なかった。