「それで、先輩のお眼鏡にかないましたか?」
笑みを向けて見ると、五十嵐先輩は頭を掻くなり立ち上がる。
「1つだけ確認させてくれ。…お前らの覚悟が知りたい」
「…覚悟、っていうのは?」
「本気を知りたいってことだよ。あんだろ?目標の1つくらい」
なるほど、決意表明ってとこか。
…嘘をつくのはよくねぇよなぁ。
「…2年後、全国行きます」
「…」
五十嵐先輩は急にポカンと口を開けて固まる。
直後、急に吹き出したかと思うとお腹を抱えて大笑いを始めた。感情がよく動く人だなぁ…。
「っはは!!そこは来年って言うとこじゃね!?素直か!!」
「…嘘は1つだけって決めてるんで。…それに、来年じゃ現実味無さすぎですよ」
「まぁ、そりゃそうか」
笑いを引っ込めた五十嵐先輩は、大きく深呼吸をすると改めて真剣な顔をする。

