「彰矢!ちゃんと相手見ろ!」

「おぅ!くま、もっかい!」

よく通る声がグランドに響く。

もはや定位置となっていると言っても過言ではない、グランドに続く階段の1番上で腰かけている先輩。

カバンは自分のとなりに置いて、足を組み、 足を支えに頬杖をついてる。

ガラ悪っ!!

「今日は1年監督いねぇのか?」

「呼びました?」

「…は?」

おぉ、振り返るのはっや。バケモノを見るような目で見られるのは納得いかねぇけど。

先輩はしばらく呆けた顔をしていたけど、今度は意味がわからないと言わんばかりの顔をする。

…ほぼ変わってねぇけど。