愛華はわかったと言うなり直ぐ様ポスターの修正に行ってくれる。

それを見送っている間に隣に腰かけた小月先輩に視線を向けた。

「…小月先輩、すみません」

「え?…どうしたの、急に」

「昨日のこと。先輩のこと、無視するようなことばっか言ってすみませんでした」

ベンチから立ち上がって頭を下げる。

ガタンっと音と共に、小月先輩が目の前に立ったのが影でわかる。

「や、止めてよ。私のことは別に気にしなくても…」

「小月先輩はサッカー部の一員です。それなのに、先輩が卒業してからのこと言ったり、先輩を侮辱するようなことを言いました。…正直、今日から来てもらえないんじゃないかって、心配だったんです」

小月先輩にとっては居づらい状況になるんじゃないかって気づいたのは、帰ってからだった。

同級の先輩は誰も来ていない状況で、1年が一丸となった状況を目の前で見たんだ。

疎外感を目の当たりにさせてしまったかもしれない。そこまで頭が回っていなかったことにすごく後悔した。