「さてと、そろそろ開店するぞ。ゆき、切り換えろ」

「はぁい」

「青羽、看板」

「了解」

「怜斗テレビ」

「はいよ」

「野本さん、ルナ照明」

「えぇ」

「はい!」

直矢の指示にそれまでのおふざけも消えて一斉に動き出す。

あれほど怒っていたゆきも乱れたウィッグを整えて完全に女の子に変わる。

照明が若干暗くなって、今日映すのはサッカーの日本代表の試合。

openの札が掛けられた店に早速サポーターたちがやってくる。

「いらっしゃいませ!」

「「「「「いらっしゃいませ!」」」」」

「MooNへようこそ。本日はよろしくお願いします」

スポーツバー『MooN』の開店の合図に全員が気を引き締めた瞬間だった。

‐怜斗side end‐