「なんだよ荻原。…監督権限とか言って、練習の強制でもするつもりか?」

「まさか。そんなことしませんよ。あくまでオレはあの大会のみ、監督として立っただけですから。今はただの後輩です」

「ならどけよ」

「2つほど、確認させてください」

明確な質問の数に先輩は舌打ちしながらも聞く態度をとってくれる。というわけで、遠慮なく口を開く。

「新キャプテンを決めていただけませんか。形だけでも、必要ですよね」

「あぁ…そうだな」

「二木でいいんじゃね?」

「え…」

「そうだな。二木、お前やれよ」

まさかの押し付けのような決まり方に当人ですら困惑している。

それでも、先輩たちはこの話は終わりと言わんばかりに次を求めて来た。